「水は異なもの味なもの」第13回 地球規模での水の循環(1)
今回は、地球規模での水の循環というテーマでお話しします。
海、湖、河川をはじめ、地面や動植物の表面から蒸発した水蒸気は、
やがて雲となり、雨や雪となって地表に戻ります。
その水は川となって海に注いだり、地面に浸透して植物に吸われたり、
地下水になったりします。そして、再び蒸発します。
こうして、水は蒸発、降水、流出、蒸発という具合に、
地球の表面と大気の間をめぐって、はるか昔から循環を繰り返しているのです。
1年間に地球上に降る雨や雪の量は、
全部で約516兆トンあり、これを降水量に換算すると約1000mmになります。
一方、地球の大気中に含まれる水蒸気の量は約13兆トンといわれており、
大気中にあるすべての水蒸気が一度に雨や雪となって降ることはありませんが、
もしも水蒸気が全部雨として地球に降れば、平均25mmの降水量になります。
1000÷25=40で、地球と大気の間の水循環は1年に40回、
つまり9日に1回行われている計算になります。
さて、大気中に蒸発する水の量は、海からが85%、陸からが15%といわれます。
ところが、降水量は、海に77%、陸に23%です。
つまり、陸での降水量は蒸発量よりも8%分、多いということになります。
この8%分の水の役割が大変重要で、陸地で植物が育ち、動物が生活でき、
湖や川に水を溜めておくことができるのです。
そして、やがてこれらの水も海に注いでゆくのです。