水は異なもの味なもの」第11回 地球上に存在する水(1)
今回は、地球上に存在している水についてお話ししたいと思います。
地球が誕生して、約46億年が経ちました。
地球表面の3分の2は海で覆われていて、海の深さは平均3800mにもなります。
そして、海水を含め、地球上にある水の総量は約13億8000万km3あります。
まさに、水の惑星と呼ばれるにふさわしいほどの多くの水が地球上にあるのです。
さて、約35億年という永い間、地球上にある水の量は、
ほとんど変わっていないといわれています。
これは、地球の引力が大気中の水、つまり水蒸気を引き留めているからです。
もし地球がもっと軽かったら、その分引力が弱くなり、
水蒸気は地球から失せてしまっていたことでしょう。
大気圏の上層部では、水蒸気は太陽光に含まれる紫外線によって分解されて、
水素と酸素に分かれます。このうち、水素は軽いため、
地球の重力圏内にとどめておくことはできず、宇宙のかなたへ去ってしまいます。
これが地球から水が逃げ出す唯一のケースですが、その量はごく微量です。