「水は異なもの味なもの」第14回 地球規模での水の循環(2)
私たちの体内でも、水循環が行われています。
老廃物を体外へ排出することで、私たちの健康は保たれています。
地球の場合、水に含まれる有害物は必ず処理されなければなりません。
処理しなければ、有害物は溜まる一方で、地球の環境は悪化します。
46億年という永い間、地球には自浄作用、つまり、汚染物質を浄化する作用が
自然に働いてきました。しかし、近年の経済成長とともに汚染物質が増え、
人体に有害な物質も現れるようになってきました。
このような有害物質は、自然浄化されません。
自然浄化されないものの一例として、医薬品、日用品の中の化学物質があります。
それらは、人間の健康的な生活にとってとても便利で、なくてはならないものです。
しかしそれらの化学物質の中には、私たちが摂取し、排泄した後の下水処理場や、
浄化槽の塩素による処理や生物処理のみでは分解されないものもあるのです。
分解されなかった化学物質は、川や海に流れ出し、環境ホルモンとして
水生生物に影響を及ぼしたり、薬剤耐性菌発生のリスクを生じます。
私たちの飲む水道水も、河川水などから取水されているため、ひとごとではありません。
分解されなかった化学物質は、循環して、
私たちの体に再度取り込まれる可能性があるからです。
最近の下水処理施設では、分解されにくい化学物質を分解する処理機能の強化として、
オゾン処理や紫外線処理が導入され始めています。