「水のコトブキ」壽化工機ブログ

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「水は異なもの味なもの」第20回 硬水と軟水

今回は、前回に引き続き硬水と軟水についてお話しします。

水道水が硬水になるのか、軟水になるのかは、その土地の地質に大きく影響されます。

ヨーロッパや中国の一部地域では、炭酸カルシウムを主成分とする石灰岩地層が広がっています。

つまり、これらの地域では、地上に降った雨水が石灰岩地層にしみこむときに

カルシウムが溶けだし、硬水になるといわれています。

日本では石灰岩の地層が広く分布しているわけではないので、大部分が軟水になるのです。

 

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ところで、硬水の中には一度沸騰させると、カルシウムが沈殿して除かれ、

軟水になるものがあります。このような水を一時硬水といいます。

化学的には、カルシウムやマグネシウムが主に炭酸水素塩の形で溶けている水です。

ヨーロッパ諸国の水は一時硬水であることが多いようです。

 

これに対して、カルシウムやマグネシウムが塩化物や硫酸塩などとして

溶けている水は、いくら沸騰させても硬水のままです。

これを永久硬水といいます。永久硬水を軟水にするには、

逆浸透膜やイオン交換樹脂を使ってカルシウムなどを除かなければなりません。

 

次回は、水からこれらの成分を取り除く方法についてお話しします。