「水は異なもの味なもの」第16回 日本における水の状況 日本の気候と水
前回に引き続き、日本における水の状況についてお伝えします。
日本が水に恵まれない理由のふたつめは、日本の気候です。
日本では、梅雨時と台風のときに集中的に雨が降ります。
実際、名古屋では6月、7月、9月の3ヶ月間で年間の約40%の雨が降ります。
急流な川に集まる集中豪雨をすべてダムに蓄えることはとても困難です。
そのようなときは、ダムの水門を開いて水を放出することになります。
さらに、真夏や冬の渇水期には、川の流量が減って
各地で水不足が発生することもあるため、
水の過剰と水不足が隣り合っている環境ともいえます。
このため、利水と治水をするための多目的ダムも日本には多くあります。
例えば、洪水の調節にはいつも空であると都合がよいのですが、
発電のためには常に満水であるのが理想であり、
上水道や工業用水を得るためには調整してダムからの放水が求められるようなことです。
このような理由から、恵まれた雨から得られる豊かな水資源を
有効活用することが難しいのです。
「水は異なもの味なもの」
第16回 日本における水の状況 日本の気候と水 終