水は異なもの粋なもの 24回「水の物理的性質(2)」
前回に引き続き、水の不思議な性質についてお話します。
今回は水の物理的性質の中の水の融点、沸点の不思議な性質です。
一般に軽い物質は重い物質に比べて動きやすく、その分、
気体になりやすい傾向にあります。
水は軽い部類に入るため、この考え方では沸点や融点は、
ずいぶん低い温度になるはずです。
しかし水は0℃で凍り、100℃で沸騰します。
これはなぜなのでしょうか?
その理由は、水の分子構造が特殊であることが大きな原因です。
一般に、分子がお互いに接近すると、分子と分子の間に引力が働きます。
しかし、水分子の場合はこの引力が特に強く働きます。
水が沸騰して水蒸気になるためには、この引力を断ち切る必要があるのですが、
それにはかなりのエネルギーを要します。
このため、水の沸点が高くなるのです。
同様に、氷から水になるときもそれなりにエネルギーが必要になるため、
融点が高くなるのです。
実際、水は最も身近にあるもののため、不思議と感じることすら少ないでしょう。
しかし、この特徴的な水の性質を先人たちや生き物たちが利用し、
私たちの生きる現代まで繋がってきたのです。
次回は、水の特徴を利用した、私たちの身近にある家電についてお話します。