「水は異なもの味なもの」第8回 宇宙に行ったコイ(1)
これから数回に分けて、当社が、スペースシャトルで行われた
宇宙酔いの実験に協力した話をしたいと思います。
1992年、毛利衛さんが日本人で初めてスペースシャトルで宇宙に旅立ったとき、
毛利さんは愛知県弥富町から運ばれたニシキゴイを使って、宇宙酔いの実験を行いました。
宇宙酔いとは、宇宙飛行士に現れる乗り物酔いに似た症状のことで、
コイを使ってその仕組みを解明しようという実験です。
当社では、この実験の後方支援活動を行いました。
鯉が宇宙で生きるためにコントロールすべき点を、4ヶ月にわたって調査し
水質の適正範囲を明らかにしました。
続いて、弥富町からアメリカ・ケネディ宇宙センターまでコイを空輸する
リハーサルが行われました。しかし、長時間の輸送中にコイは衰弱してしまいました。
その原因は輸送中にコイがストレスを受けたことに加えて、
コイが現地(宇宙センター)の水道水になじめなかったことが考えられました。
水質検査の結果、現地の水道水には弥富の水に比べて塩分が多く含まれており、
コイの飼育には不向きだったのです。
次回に続きます。